オフショア開発拠点としてのベトナムの可能性 〜4.IT人材のスキルレベル〜

オフショア開発拠点としてのベトナムの可能性 〜4.IT人材のスキルレベル〜
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弊社は【ベトナムNOW!】を通してベトナムの「今」をどんどん発信していく予定です。【ベトナムNOW!】をご覧いただき、少しでもベトナムの活気が伝われば幸いです。

第三回目からベトナムのオフショア開発拠点としての現状と今後をシリーズでご紹介させていただいております。第六回目となる今回はシリーズ第四弾、ベトナムのITエンジニアのスキル水準の情報をお届けします。

目次

脱「ソフトウェア生産工場」をベトナムで果たす

​この図はベトナムと日本の、国際数学オリンピックでの順位になります。ベトナムは伝統的に「理系」科目に強いです。国際オリンピックでは、ここ数年は大体10位前後をキープしており、日本とほとんど変わらないか、より良い成績を挙げています。この高い論理的思考力はITの産業でも武器になります。

​この図はベトナムと日本の、国際数学オリンピックでの順位になります。ベトナムは伝統的に「理系」科目に強いです。国際オリンピックでは、ここ数年は大体10位前後をキープしており、日本とほとんど変わらないか、より良い成績を挙げています。この高い論理的思考力はITの産業でも武器になります。

「オフショア開発」というとどうしても、開発コスト低減を目的として誰でもできそうな単純な業務を委託する「ソフトウェア部品生産工場」のようなイメージがあります。開発コストを下げるのは非常に大きな経営課題ですし、会社として当然取り組むべきものだと思います。ただ、ベトナムに身を置く私自身としてはそのような「オフショア開発」が好きではありません。

​本記事で何度も述べさせてもらうようにベトナムのエンジニアは優秀です。が、いわゆる「オフショア開発」ばかりを経験していると、せっかくポテンシャルがあるのに、どうしても技術的なスキルばあまり伸びません。言われたことをやるような業務ばかりでなく、どうすればよいかを自分で考え、失敗しながらも同じ失敗を繰り返さないためにはどうすればいいかを学びながら仕事をできる機会を作りたいという思いから私はスクーティーという会社を作りました。

どんどん増えるIT人材

​この図は2009年から2015年におけるベトナムのITエンジニア数の推移です。大体前年比で8%以上の伸びを見せており、全人口比に対しても増えてきています。人数がそのままその国の技術力を表すわけではありませんが、少なくともベトナムに対するオフショアの需要増に対応するだけの基盤が育ってきていると言えるのではないかと思います。

​この図は2009年から2015年におけるベトナムのITエンジニア数の推移です。大体前年比で8%以上の伸びを見せており、全人口比に対しても増えてきています。人数がそのままその国の技術力を表すわけではありませんが、少なくともベトナムに対するオフショアの需要増に対応するだけの基盤が育ってきていると言えるのではないかと思います。

ちょっと古いデータなのですが、2013年までのベトナムの大学/専門学校の学生数の推移です。もっと右肩上がりかと思っていましたが、以外にそうではありませんでした。ここ数年はデータが見つかりませんでしたが、もう少し伸びているかもしれません。ただ、国公立大学の学生数は増えています。これから若く、可能性のある学生がどんどん巣立ってくるのもベトナムの非常に大きな魅力の一つです。

ちょっと古いデータなのですが、2013年までのベトナムの大学/専門学校の学生数の推移です。もっと右肩上がりかと思っていましたが、以外にそうではありませんでした。ここ数年はデータが見つかりませんでしたが、もう少し伸びているかもしれません。ただ、国公立大学の学生数は増えています。これから若く、可能性のある学生がどんどん巣立ってくるのもベトナムの非常に大きな魅力の一つです。

こちらもちょっと古いデータですが、ベトナムから海外へ留学した人の数です。こちらは右肩上がりで伸びており、国内の教育だけでなく海外で知識や経験を積みたいという需要の高さがわかります。
留学先のトップはオーストラリアで、次がアメリカなので、やはり英語を勉強したいのでしょう。その次に来るのが日本です。

こちらもちょっと古いデータですが、ベトナムから海外へ留学した人の数です。こちらは右肩上がりで伸びており、国内の教育だけでなく海外で知識や経験を積みたいという需要の高さがわかります。

留学先のトップはオーストラリアで、次がアメリカなので、やはり英語を勉強したいのでしょう。その次に来るのが日本です。

ちなみにベトナムの外国語教育ですが、教育訓練省(MoET)の提案にると、英語、ロシア語、フランス語、中国語、日本語の5つの言語から、第6学年から第12学年までに必須科目としてに学ばなければならない第一外国語を選択することができるようです。
第二外国語はオプションで、学生側の需要や学校の条件に応じて学習することができます。上記の5つの言語から選択できます。省と学校からの要求があり、かつ、必要な条件が揃っていれば、ドイツ語と韓国語を第二外国語として試験的に学ぶことが出来ます。

私自身の感覚では、大卒者の英語能力は日本の学生よりも圧倒的に高いです。日本語よりもベトナム語のほうが文法的な親和性が高いというアドバンテージはあると思いますが、英会話スクールのようなところにいかなくても、拙い英語であってもきちんとコミュニケーションは取れる人が多いように思います。

ベトナムの主なプログラミング言語はJava / PHP / JavaScript

IT系企業から求められるスキルで需要があるのはJava、PHPなどのサーバサイドプログラミング言語、SQL、JavaScriptやCSSといったフロントエンドのコーディング技術のようです。
ただし、求職者であるエンジニアが探しているスキルとは若干乖離があり、彼らが活かしたいと考えているスキルセットはJava、PHPやAndroid/iOSと言ったスマートフォンアプリのOSです。全体的に、Webやスマホアプリの開発の求職者側のニーズが高そうです。

上記2つのグラフは、ベトナム最大手の求人サイトVietnamworksの調査によるものです。

IT系企業から求められるスキルで需要があるのはJava、PHPなどのサーバサイドプログラミング言語、SQL、JavaScriptやCSSといったフロントエンドのコーディング技術のようです。

ただし、求職者であるエンジニアが探しているスキルとは若干乖離があり、彼らが活かしたいと考えているスキルセットはJava、PHPやAndroid/iOSと言ったスマートフォンアプリのOSです。全体的に、Webやスマホアプリの開発の求職者側のニーズが高そうです。

完全なる私の個人的主観によると、(本来は一般化出来ないであろう)ベトナム人エンジニアの傾向は、60%程度の出来のものを作る速さが尋常じゃなく速いです。製品開発だとそこから先の40%以上を上げていく作業が結構大変だったりするのですが、プロトタイプの実装や、要素技術の先行調査などは結構向いてるんじゃないかと思います。

進む​外資企業との産学連携

ベトナムの教育機関と外資系企業との連携も進んでいます。

例えばこの記事に紹介されているのは、ホーチミン市技術師範大学は、BOSCH Vietnamとの覚書に署名したというものです。2016年にはJob Fairの開会式を開催しました。これは、資金調達や教育の質向上を目的とした産学連携です。このような活動は日系のIT系企業も積極的に行っています。

こちらの記事は、日越大学とCONINCOが様々な分野で協力し、全国の高等教育、科学技術の発展、研修、人材育成、 科学的な研究など促進するというものです。
※CONINCOは、世界中の大企業とのパートナーシップを持つ、多方面の専門分野を持つ投資、コンサルティング、建設会社です。

このように、外資系企業はベトナムの教育機関との連携を強化しており、ベトナムの教育機関も海外の知識や知見を積極的に取り入れようとしています。先に紹介したような留学生や、外資系企業との産学連携を通して、海外から学ぶ人材がより市場に出てくると、ベトナムのIT産業もより発展し、オフショア開発以外のビジネスも伸びてくると期待しています。

本記事をご覧いただいた方にはこちらの資料がおすすめです!

ベトナムオフショア開発パーフェクトブック

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