こんにちは、スクーティー代表のかけやと申します。
弊社は生成AIを強みとする、ベトナムオフショア開発・ラボ型開発や、生成AIコンサルティングなどのサービスを提供するソフトウェア開発会社です。
弊社は【ベトナムNOW!】を通してベトナムの「今」をどんどん発信していく予定です。【ベトナムNOW!】をご覧いただき、少しでもベトナムの活気が伝われば幸いです。
第三回目からベトナムのオフショア開発拠点としての現状と今後をシリーズでご紹介させていただいております。第七回目となる今回はシリーズ第五弾、ベトナムでのソフトウェア開発会社現地法人設立の情報をお届けします。
現地法人設立の意思決定をする
ベトナムのオフショア開発ではラボ型開発というものが一般的で、ラボ型開発を利用すると、ベトナムの法律や会計基準を気にせずに簡単に開発チームを組成することが出来ます。
ラボ型開発を通していくつかプロジェクトを流してみて、ある程度プロジェクト進行が安定したところで、ラボサービスを続けるか、現地法人を設立するか、という意思決定をする場合があります。
これは大きな意思決定ですので、事前に考慮すべき点がたくさんあります。
ソフトウェア生産事業は4年間法人税免税
まず、ベトナムにソフトウェア開発会社を設立することの最大のメリットは税制優遇でしょう。2017年現在では下記のような税制優遇措置が取られています。
- 4年間の法人税免税
- 9年間の法人税減免(50%)
- 1000人以上を雇用する企業はさらに、15年間の法人税率10%の適用も
年間売上200億VND以下の企業は法人税20%、それ以外は22%なので、50%減免だと実質10〜11%の法人税ということになります。
ただし注意点があります。
この税制優遇はソフトウェア「生産」事業に対して適用され、ソフトウェア「加工」事業は対象外という点です。一応、生産と加工の違いも法律上定義されていますが、境界はかなりグレーです。
したがって、ソフトウェア生産事業によるものとして法人税を0%で申告していたのに、税務局の監査が入った時に、あとからそれはソフトウェア生産ではなくソフトウェア加工だと指摘され、追徴課税を課されるという可能性もなきにしもあらず、です。
法人設立の場所は現時点ではハノイがベスト
さて、ベトナムに現地法人を設立するという意思決定をした後に、兎にも角にも決めないといけないのは、どこに登記するかです。ベトナムには3箇所ITパークがあり、各々異なった性格を持っているので、(若干の主観を交えつつ)紹介します。
最近、日系のオフショア開発会社がダナンに支社を作るのがブームのようになっています。
すでに数百人規模になっている会社が、ダナンでも数十人程度は採用できているようなので、人手を確保するという意味では一定の効果はあるようです。ダナンはビーチリゾートとして有名な場所でとてもいいところなので、ここで働ければ最高ですね!
ただ、エンジニアの採用のしやすさと質のバランスでは、現時点ではハノイがベストなんじゃないかと思います。
とはいえ進出支援を受けた場所にそのまま登記するのが有効
冒頭に述べたように、ベトナム進出というと、1.現地のオフショア開発会社のラボ型開発を利用して開発チームを組成、2.スピンアウトして現地法人設立、という流れが主流です。ラボ型開発をやっている期間中に色々な人脈ができるはずですので、現地法人設立時点でその人脈を活かさない手はありません。ハノイにあるオフショア開発会社のラボ型開発を利用するのであれば、ハノイに法人を設立するのが自然です。
つまり場所の選定は、最も初期のラボ型開発を通した進出支援の依頼先を選定する段階で決めることになります。弊社もラボ型開発サービスとベトナム進出支援サービスを提供していますので、是非ご検討ください。
→ダウンロード:『ベトナムオフショア開発パーフェクトブック』
現地法人代表の駐在員の選定は慎重に
現地法人設立の意思決定を下し、登記する場所を決めたら、あとは現地の代表を任せる社員を本社から選んで駐在してもらう必要があります。すでにある程度の規模にある現地の開発会社を買収して拠点にするというような方法を取らない限り、いきなり現地で採用した人を代表に立てるのはさすがにリスキーでしょう。
さて、意外に軽視されがちなのが、海外駐在員の選定条件です。
この記事にもあるように、海外駐在員の帰任後の離職率は高いです。特に、海外進出自体が初めての会社にとっては、海外駐在員にまつわるトラブルは結構あるようです。
- 日本とベトナムで板挟みになり、逃げ場がなくなって鬱になる。
- ベトナムという生活環境に適応できない。
- 海外駐在を想定した人事制度がなく、逆に昇給や昇進の機会を失ってモチベーションが下がる。
- 修羅場を通した成長、市場価値の高い経歴、人脈を背景に独立。
- 駐在時代の経験を活かせるポストが日本になく、帰任後すぐに退職。
駐在員の選定基準に関しては「ラボを継続するか、法人化するか問題」に提案させていただいていますので是非御覧ください。