こんにちは、スクーティー代表のかけやと申します。
弊社は生成AIを強みとするベトナムオフショア開発・ラボ型開発や、生成AIコンサルティングなどのサービスを提供しており、最近はありがたいことに生成AIと連携したシステム開発のご依頼を数多く頂いています。
中国初の自立型AIエージェント「 Manus 」がやばいと話題です。本記事執筆時点でWaitlistに登録しかできず、まだ実際に使えていませんが、アップされている動画や、Manusが公開しているAIエージェントの一連の動作のリプレイを見ることができ、本当に何から何まで全自動でできてしまうことがわかります。控えめに言ってやばいです・・・・!
Manusは、まるで人間のように考え、行動する「自律型AIエージェント」です。リサーチ、資料作成、ウェブサイト構築など、様々なタスクを人間に代わって実行します。この記事では、そんなManusの驚くべき機能や、他のAIとの違い、実際の活用事例まで、気になる情報を、開発元の情報や実際に利用した人の声をもとに徹底解説します。
Manus:思考から実行までを繋ぐ、次世代AIエージェント
Manusとは?:単なるチャットボットやワークフロー自動化ツールを超える存在
Manusは、Manus AI社が開発した、全く新しいタイプのAIです。従来のAIのように、質問に答えたり、指示された作業をこなすだけでなく、自分で考え、判断し、行動することができます。これは、従来のチャットボットやワークフロー自動化ツールとは一線を画す、まさに「自律型」と呼ぶにふさわしいAIエージェントです。
例えば、あなたが「来月の旅行プランを立てて」と頼むと、Manusは、インターネットで情報を集め、あなたの好みに合いそうなプランを提案し、航空券やホテルの予約を代行し、旅行のしおりを作成するといった一連の作業を、全て自動で行ってくれます。まるで、優秀な秘書がそばにいるような感覚です。
まず旅行先の情報をリサーチし、人気スポットや穴場スポット、現地の気候や治安情報などを収集します。次に、あなたの過去の旅行履歴や好み(例えば、「歴史が好き」「自然が好き」「アクティビティを楽しみたい」など)を分析し、最適なプランを複数提案します。そして、あなたが選んだプランに基づいて、航空券やホテルの予約、レストランの予約などを代行し、最終的に旅程表や持ち物リストなどをまとめた「旅行のしおり」を作成してくれます。


Manusは何がすごいのか?:自律性と問題解決能力
Manusの最大の特徴は、その「自律性」です。与えられたタスクに対し、自分で計画を立て、必要な情報を集め、最適な方法で実行します。従来のAIは、人間が細かく指示を与えなければ動けませんでした。しかし、Manusは、まるで人間のように、自分で考え、判断し、行動することができます。この自律性により、人間はより創造的なタスクに集中できるようになり、生産性が大幅に向上することが期待されます。
Manusは、従来のAIとは異なり、人間からの指示を待つだけでなく、自ら考え、行動します。これは、Manusが「エージェント」と呼ばれる所以です。エージェントとは、自律的に行動し、目標を達成するために必要なタスクを実行する能力を持つAIを指します。
あなたが「新商品のアイデアを考えて」と頼むと、Manusは、市場調査を行い、競合製品を分析し、ターゲット顧客のニーズを把握し、複数のアイデアを提案し、それぞれのアイデアのメリット・デメリットを評価するといった作業を、全て自動で行います。最終的な結果を見て、どのアイデアを採用するか決めるだけです。
まず、関連する市場のレポートやニュース記事、SNSの投稿などを分析し、現在のトレンドや消費者のニーズを把握します。次に、競合他社の製品やサービスを調査し、その強みと弱みを分析します。そして、これらの情報を総合的に判断し、複数の新商品アイデアを提案します。さらに、各アイデアについて、市場規模、競合状況、実現可能性、収益性などの観点から評価を行い、メリットとデメリットを明確にする、といったことを全自動でやってくれます。すごすぎますね!
AIエージェントってなに?という方は是非以下の記事をご覧ください!AIエージェントの概要について記載しています。


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YouTube動画で見るManusのデモンストレーション
Manusの実際の動作は、以下のYouTube動画で確認できます。
この動画では、Manusがレジュメのスクリーニング、旅行プランの作成、株価分析といったタスクを、どのように実行しているのかが紹介されています。特に注目すべきは、Manusが自律的にタスクを分解し、計画を立て、実行している点です。
こちらの動画では、Manusが実際に様々なタスクを実行する様子を、より詳細に見ることができます。AIが複数のウィンドウを同時に開き、それぞれ異なるタスクを実行している様子は圧巻です。
AIが複数の履歴書を読み込み、それぞれの候補者の情報を比較検討する様子が示されています。また、旅行プランの作成では、AIが複数のウェブサイトを検索し、フライトやホテルの情報を収集し、最適なプランを提案しています。さらに、株価分析のデモでは、AIが財務データを分析し、グラフを作成し、最終的にウェブサイトとして公開するまでの一連の流れを自動で行っています。動画内では、50ものタスクを同時にこなすと紹介されており、その処理能力の高さが伺えます。また、Cloud Coderのようなツールを活用し、Linux上で動作していることも示唆されています。
これらの動画から、Manusが単に情報を検索するだけでなく、情報を分析し、整理し、新たなコンテンツを生成する能力を持っていることがわかります。これは、従来のAIアシスタントとは一線を画す、Manusの大きな特徴です。
Manusの機能:リサーチ、資料作成、ウェブサイト構築まで
Manusの機能概要:多様なタスクに対応
Manusは、リサーチ、資料作成、ウェブサイト構築など、非常に多様なタスクに対応できます。これは、Manusが、自然言語処理、機械学習、ウェブスクレイピング、プログラミングなど、様々なAI技術を組み合わせた複合的なシステムであるためです。
Manusの具体的な活用事例:実際のタスク実行例
Manusのウェブサイトでは、実際の活用事例が紹介されています。以下に、各カテゴリーから厳選した7つの事例を紹介します。
旅行プランの自動作成


エージェントの動作のリプレイ:Trip to Japan in April
この画像は、Manusがユーザーの要望に基づいて、日本への旅行プランを作成している様子を示しています。具体的には、以下のようなことができます。
- ユーザーの希望する旅行先、期間、予算などの情報を基に、複数の旅行プランを自動生成する。
- 人気観光スポットだけでなく、穴場スポットの情報も収集し、提案に盛り込む。
- 現地の気候や治安情報など、旅行に必要な情報を収集し、提供する。
- 過去の旅行履歴や好みを分析し、ユーザーに最適化されたプランを提案する。
- 航空券やホテルの予約を代行する。(※動画内で示唆)
- レストランの予約を代行する。(※動画内で示唆)
- 旅程表や持ち物リストなど、旅行に必要な情報をまとめた「旅行のしおり」を作成する。
B2Bサプライヤーソーシング


エージェントの動作のリプレイ:B2B Supplier Sourcing
この画像は、Manusが特定の製品(ここではLED街路灯)のサプライヤーを調査している様子を示しています。具体的には、以下のようなことができます。
- 製品の仕様や要件を理解する。
- 複数のサプライヤー候補をリストアップする。
- 各サプライヤーのウェブサイトや製品カタログを調査する。
- サプライヤーの評判や実績を調べる。
- サプライヤーに見積もりを依頼する。
- 見積もりを比較検討し、最適なサプライヤーを選定する。
テスラ株の詳細分析


エージェントの動作のリプレイ:Deeply Analyze Tesla Stocks
この画像は、Manusがテスラ株の詳細な分析を行っている様子を示しています。具体的には、以下のようなことができます。
- 企業の財務諸表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書など)を分析し、企業の財務状況を評価する。
- 株価チャートやテクニカル指標を用いて、株価のトレンドや将来の予測を行う。
- 関連ニュースや市場の動向を分析し、株価に影響を与える可能性のある要因を特定する。
- 競合他社の株価や財務状況と比較分析する。
- これらの分析結果を基に、投資判断の参考となるレポートを作成する。
- レポートは、グラフや表を用いて視覚的にわかりやすく表示する。
オンラインストアの運営分析


エージェントの動作のリプレイ:Online Store Operation Analysis
この画像は、Manusがオンラインストアの運営データを分析している様子を示しています。具体的には、以下のようなことができます。
- 売上データ、顧客データ、商品データなどを収集・分析する。
- 売れ筋商品や売上トレンドを特定する。
- 顧客の購買行動を分析し、顧客セグメントを特定する。
- マーケティング施策の効果を測定し、改善点を提案する。
- 在庫管理の最適化を支援する。
- 分析結果を視覚的にわかりやすいレポートやダッシュボードで提供する。
運動量保存則に関するインタラクティブなコース作成


エージェントの動作のリプレイ:Interactive Course on the Momentum Theorem
この画像は、Manusが運動量保存則に関するインタラクティブな学習コースを作成している様子を示しています。具体的には、以下のようなことができます。
- 学習内容に関する情報を収集し、整理する。
- 学習内容をわかりやすく説明する動画やスライドを作成する。
- 理解度を確認するためのクイズや演習問題を作成する。
- 学習者の進捗状況を管理し、個別のフィードバックを提供する。
- 学習内容に関する質問に回答する。
候補者面接スケジュール


エージェントの動作のリプレイ:Candidate Interview Schedule
この画像は、Manusが採用候補者の面接スケジュールを自動で作成している様子を示しています。具体的には、以下のようなことができます。
- 候補者と面接官の空き時間を調整する。
- 複数の候補者と面接官がいる場合、効率的なスケジュールを自動生成する。
- 面接のリマインダーを送信する。
- 面接の場所やオンライン会議のURLなどを自動で通知する。
- 面接後のフィードバックを収集し、集計する。
名刺作成


エージェントの動作のリプレイ:Business Card Creation
この画像は、Manusが名刺を作成している様子を示しています。具体的には、以下のようなことができます。
- ユーザーから提供された情報(名前、役職、所属、連絡先など)を基に、名刺のデザインを自動生成する。
- 複数のデザインテンプレートから選択できる。
- ロゴや画像を追加できる。
- フォントや色をカスタマイズできる。
- 作成した名刺のデザインをプレビューし、必要に応じて修正できる。
- 印刷可能なデータ形式(PDFなど)で出力する。
GAIAベンチマークにおけるManusの性能
Manusは、AIアシスタントの能力を評価する「GAIA」ベンチマークにおいて、高い評価を獲得しています。GAIAは、現実世界の問題解決能力を測るために設計されたベンチマークで、以下の3つのレベルで構成されています。
- レベル1:比較的簡単な質問で構成され、基本的な情報検索能力や推論能力を評価します。
- レベル2:より複雑な質問で構成され、複数の情報源を組み合わせたり、論理的な推論を行ったりする能力を評価します。
- レベル3:最も難しい質問で構成され、高度な推論能力や創造性、専門知識などを必要とします。
Manusは、このGAIAベンチマークにおいて、すべてのレベルで従来のAIシステムを上回る性能を示しました。


上記の図は、Manusと他のAIシステムのGAIAベンチマークの比較結果です。Manusは、他のAIシステムと比較して、全ての難易度レベルで高いスコアを獲得していることがわかります。
Manusの仕組み:マルチエージェントシステムとLinux
Manusが、これほどまでに高い能力を発揮できるのは、その内部構造に秘密があります。複数の異なるモデルが連携して動作するシステムを採用しています。これにより、複雑なタスクも効率的に処理できます。例えば、リサーチタスクでは、情報収集を担当するエージェント、情報を分析するエージェント、レポートを作成するエージェントなどが連携して動作します。
また、Manusは、オープンソースのOSであるLinux上で動作します。これにより、高速かつ安定した動作を実現しています。Linuxは、その柔軟性とカスタマイズ性から、AI開発の分野で広く利用されているOSです。Manusは、このLinuxの特性を最大限に活かすことで、高いパフォーマンスを発揮しています。 さらに、動画内ではCloud Coderのようなツールを活用し、コマンドライン操作を自動化している様子が伺えます。
Manusの利用と今後の展望
Manusの使い方:現在は招待制
Manusは、現在、招待制で利用可能です。利用を希望する場合は、公式サイトから申し込む必要があります。
ただし、非常に人気が高く、招待コードを入手するのが難しい状況です。X (Twitter)などのSNSで、最新の情報をチェックすることをおすすめします。
Manusの利用規約:重要なポイント
Manusの利用規約(Platform Service Terms)は、2025年2月27日に更新され、同日に発効しました。利用規約には、Manusの利用に関する重要な情報が記載されていますので、利用前に必ず確認しましょう。
特に、以下の点に注意が必要です。
- 年齢制限: Manusのサービスを利用するには、18歳以上である必要があります。未成年者が利用する場合は、保護者または後見人の同意が必要です。
- 禁止事項: Manusを違法行為や規制に違反する行為に利用することは禁止されています。また、システムのセキュリティを侵害したり、他のユーザーに迷惑をかけたりする行為も禁止されています。
- 免責事項: Manusは、AIによって生成された情報の正確性や完全性を保証しません。利用者は、自己の責任において情報を利用する必要があります。
- 知的財産権: 特に明記されていない限り、生成されたコンテンツの所有権はユーザーに帰属しますが、Manusはサービス改善のためにそのデータを匿名化して利用する権利を有します。
利用規約の全文は、https://manus.im/terms で確認できます。
Manusに関する注意点:AIの限界を理解する
Manusは、非常に高度なAI技術を使用していますが、完璧ではありません。AIが生成する情報には、誤りや不正確な情報が含まれている可能性があります。
そのため、Manusを利用する際には、以下の点に注意が必要です。
- AIが生成した情報を鵜呑みにしない
- 必ず自分で確認する
- 重要な意思決定は、AIの情報だけに頼らず、自分自身で判断する
Manusは、あくまでもあなたの作業をサポートするツールです。AIの限界を理解し、適切に活用することが重要です。AIは、あくまでも人間の判断を補助するものであり、最終的な意思決定は人間が行うべきです。
Manusの利用と今後の展望:オープンソース化でさらなる進化へ
Manus AIの開発チームは、将来的に一部のモデルをオープンソース化する予定であると発表しています。これにより、世界中の開発者がManusの開発に参加し、さらにその能力を高めていくことが期待されます。
これは、AI技術の発展を加速させ、より多くの人々がAIの恩恵を受けられるようになることを意味します。オープンソース化によって、Manusの技術が様々な分野で活用され、新たなイノベーションが生まれる可能性も広がります。
この記事では、Manusの概要、機能、性能、将来性、使い方、注意点について解説しました。