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OpenAI Agents SDK : AIエージェントを簡単かつ効率的に開発できる!

OpenAI Agents SDK : AIエージェントを簡単かつ効率的に開発できる!
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こんにちは、スクーティー代表のかけやと申します。

弊社は生成AIを強みとするベトナムオフショア開発・ラボ型開発や、生成AIコンサルティングなどのサービスを提供しており、最近はありがたいことに生成AIと連携したシステム開発のご依頼を数多く頂いています。

OpenAIが提供する「Agents SDK」は、AIエージェント開発に革新をもたらす強力なツールです。AIエージェントって何?難しそう… と思っているあなたも、この記事を読めば大丈夫!まるで優秀な秘書のように、あなたの代わりに様々なタスクをこなしてくれるAIエージェント。その開発が、OpenAIの新しいツール群とAPIによって、これまで以上に簡単かつスピーディーに、そして信頼性高く実現できるようになりました。

この記事では、OpenAIの最新情報に基づき、Agents SDKの概要から、その機能、具体的な使い方、将来性まで、開発者視点でわかりやすく解説します。

目次

OpenAI Agents SDKとは?何ができる?

OpenAI Agents SDK:AIエージェント開発キットの概要

OpenAI Agents SDKは、OpenAIが提供する、AIエージェントを簡単に作れるツールキット(ソフトウェア開発キット、SDK)です。AIエージェントとは、ユーザーからの指示を理解し、自律的にタスクを実行するプログラムのこと。まるで、あなた専属の有能な秘書がいるかのように、ウェブ検索やファイル整理、さらにはパソコンの操作まで、色々な作業を代行してくれます。

これまでも、ChatGPTのような質問に答えてくれるAIはありましたが、Agents SDKは、さらに一歩進んで「実際に作業をする」AIエージェントを、誰でも簡単に作れるようにした点が画期的です。エージェントは、単に情報を提供するだけでなく、ユーザーの代わりに具体的なアクションを実行できるため、より実用的なアプリケーションを開発できます。

例えば、以下のようなことが可能になります。

  • 「最新のファッショントレンドを調べて、おすすめのコーディネートを提案してほしい」
  • 「過去の購入履歴から、返品したい商品を特定し、手続きを進めて」
  • 「明日の会議に必要な資料を、社内サーバーとウェブから集めて」
  • 「〇〇(特定の人物)の今日のスケジュールを調べて、空き時間に会議をセッティングして」

これらはほんの一例です。アイデア次第で、エージェントに様々なタスクを任せ、業務を自動化できる可能性を秘めています。エージェントは、あなたのビジネスや日常生活を、より効率的で創造的なものに変える力を持っているのです。

従来の開発方法との違いと利点

今までのAI開発では、様々なツールやサービスを個別に組み合わせてシステムを構築する必要がありました。 例えば、自然言語処理にはこのAPI、ウェブ検索にはあのサービス、ファイル検索には別のツール、といった具合です。 これらを連携させるのは、異なるAPIの仕様を理解し、それぞれを適切に接続する必要があるため、大変な作業でした。開発者は、多くの時間をシステム連携に費やす必要があり、時間も手間もかかっていました。

しかし、OpenAI Agents SDKを使えば、これらの機能がオールインワンで提供されます。 高度なAIモデル(GPT-4oなど)に加え、ウェブ検索やファイル検索といった強力なツールが最初から組み込まれており、開発者はこれらの機能を簡単に利用できます。 さらに、エージェントの動作を詳細に追跡できる「トレース」機能や、安全性を高める「ガードレール」機能など、開発をサポートする仕組みも充実しています。

OpenAI Agents SDKを使うことで、開発者は以下のようなメリットを得られます。

  • 複雑なAPI連携作業から解放され、エージェントのロジック構築に集中できる。
  • より少ないコードで、より高度なAIエージェントを開発できる。
  • OpenAIの最新技術を常に利用できる。
  • エージェントの動作を詳細に追跡・分析し、問題点を早期に発見できる。
  • ガードレール機能により、エージェントの安全性を確保できる。

つまり、OpenAI Agents SDKは、AIエージェント開発の効率を大幅に向上させ、より多くの人々がAIの恩恵を受けられるようにするためのツールなのです。開発者は、より創造的な作業に集中できるようになり、より革新的なアプリケーションを生み出すことができるでしょう。

AIエージェントの概要を知っておきたい方はこちらの記事をご覧ください!

関連記事:最近話題の AIエージェント ってなに? AIエージェント 完全ガイド

Responses API:シンプルさと多機能性の両立

OpenAIは、Agents SDKと同時に、エージェント開発をさらに容易にする新しいAPI、「Responses API」を発表しました。これは、従来のChat Completions APIのシンプルさを維持しつつ、Assistants APIの持つ強力なツール利用機能を組み合わせた、画期的なAPIです。

Responses APIの最大の特長は、その柔軟性です。開発者は、単一のAPI呼び出しで、複数のツールを組み合わせた複雑なタスクを実行させることができます。例えば、「最新のニュースを検索し、その内容を要約して、特定のファイルに保存する」といった一連の処理を、1つのAPI呼び出しで実行できるのです。これにより、開発者は、複数のAPIを連携させるための煩雑なコードを書く必要がなくなり、エージェントのロジックの実装に集中できます。

さらに、Responses APIは、ストリーミングにも対応しています。これにより、エージェントの応答をリアルタイムでユーザーに返すことができ、よりインタラクティブなアプリケーションを開発できます。例えば、チャットボットや音声アシスタントなど、リアルタイム性が求められるアプリケーションに最適です。

OpenAIは、今後もResponses APIの機能を拡張し、将来的にはAssistants APIの全機能をカバーする予定です。これにより、開発者は、より高度なエージェントを、より少ない労力で開発できるようになります。なお、従来のChat Completions APIも引き続きサポートされますので、既存のシステムをすぐに移行する必要はありません。ただし、新機能や組み込みツールを利用したい場合は、Responses APIへの移行を検討することをおすすめします。 Responses APIは、Chat Completions APIの機能を全て含んでおり、上位互換性があるため、移行は比較的容易に行えます。

この動画では、Responses APIは、複数のツールを使い、柔軟にエージェントを構築するためのAPIであると説明されています。また、Responses APIの機能は、Chat Completionsがサポートする機能のスーパーセットであり、Chat Completions APIはなくならず、引き続き新しいモデルと機能でサポートされること、将来的にアシスタントAPIからResponses APIへの移行ガイドが共有される予定であることが説明されています。

OpenAI Agents SDKの主要構成要素

高度な知能を持つモデル

OpenAI Agents SDKでは、エージェントの「頭脳」として、以下の最新AIモデルを利用できます。(動画の該当箇所はこちら)これらのモデルは、OpenAIが開発した最先端の技術に基づいており、高い推論能力、多様なデータ(テキスト、画像、音声など)の理解力、そして安全性を考慮した設計が特徴です。これにより、エージェントは複雑なタスクを複数のステップに分解し、適切なツールを選択し、実行することができます。

モデル得意なこと特徴利用可能なAPI
o1 & o3-mini長期的な計画、複雑な推論複雑な問題を複数のステップに分解し、段階的に解決策を導き出す能力に優れています。Responses API
GPT-4.5エージェントとしての実行能力指示されたタスクを正確に理解し、適切なツールを選択し、効率的に実行することができます。Chat Completions API, Responses API
GPT-4o能力と速度のバランス高度な推論能力を維持しつつ、比較的短い時間で応答を生成することができます。Chat Completions API, Responses API
GPT-4o-mini応答速度他のモデルに比べて、より迅速に結果を返すことができます。Chat Completions API, Responses API

これらのモデルは、それぞれ異なる特徴を持っているため、開発者は、エージェントに求める機能や性能に応じて、最適なモデルを選択することができます。例えば、高度な推論能力が必要な場合はo1やo3-mini、応答速度が重要な場合はGPT-4o-miniを選択するといった具合です。

世界とつながるツール群

エージェントが現実世界と連携し、実際にタスクを実行するためには、「手足」となるツールが必要です。OpenAI Agents SDKでは、開発者が独自のツールを定義できる「関数呼び出し」機能に加え、以下の強力な組み込みツールが提供されています。

ツール概要できること利用料金制限
Web searchインターネット上の最新情報を検索質問への回答に最新情報を含める 回答の根拠となる情報源を明示 事実確認や情報収集GPT-4o search preview: 1000クエリあたり$30
GPT-4o mini search preview: 1000クエリあたり$25
File searchアップロードされたファイルから情報検索社内ドキュメントや過去のメールなどから情報検索 顧客からの問い合わせに対し、過去の履歴を参照して回答 複数ファイルから必要な情報を抽出1000クエリあたり$2.50、ファイルストレージは1GB/日まで無料、超過分は$0.10/GB/日ファイルサイズ: 最大512MB (約500万トークン)
Vector stores: 合計100GBまで、最大1万ファイル
Computer Useコンピュータの画面を認識し、操作を自動化ウェブサイトの操作(クリック、入力、スクロールなど) アプリケーションの実行 データ入力 複数アプリケーションをまたぐワークフローの自動化 ウェブサイトの自動テスト レガシーシステムへのデータ入力入力トークン100万あたり$3、出力トークン100万あたり$12

Web Search(ウェブ検索)

Web searchツールは、インターネット上の最新情報を検索し、モデルの応答に反映させるためのツールです。例えば、「今日の主要なニュースは何ですか?」といった質問に対して、Web searchツールは最新のニュース記事を検索し、その内容に基づいて回答を生成します。このツールの裏側では、ファインチューニングされたGPT-4oモデルが動作しており、多数のウェブページを検索し、関連性の高い情報を見つけ、明確な引用元とともに応答を返します。SimpleQAという評価指標では、GPT-4o search previewは90%、GPT-4o mini search previewは88%という高いスコアを達成しており、その性能の高さが証明されています。この高い精度により、エージェントは常に最新かつ信頼性の高い情報に基づいて行動することができます。

Web searchツールを使用すると、モデルの応答に情報源へのリンクを含めることができます。これにより、ユーザーは情報の正確性を確認し、より深く学ぶことができます。また、コンテンツ所有者は、自分のウェブサイトへのトラフィックを増やすことができます。

この動画では、Web searchは、モデルがインターネットから情報にアクセスできるようにするツールであり、応答が最新かつ事実に基づいたものになるようにするためのものだと説明されています。ChatGPT searchを強化しているのと同じツールであり、SimpleQAというベンチマークでGPT-4oが90%というSOTAスコアを達成していると解説しています。

File Search(ファイル検索)

File searchツールは、開発者がアップロードしたファイルの中から、関連性の高い情報を高速かつ正確に検索するためのツールです。これにより、エージェントは、社内文書や顧客データなど、特定の情報源に基づいて回答を生成できます。例えば、顧客サポートエージェントが、過去の注文履歴やFAQを参照しながら、問い合わせに対応するといったことが可能です。このツールは、複数のファイル形式をサポートしており、クエリの最適化、メタデータフィルタリング、カスタムランキングなどの機能を提供します。

File Searchツールは、Vector stores(ベクトルストア)と連携して動作します。Vector storesは、大量のドキュメントを効率的に管理し、関連性の高い情報を迅速に検索するための仕組みです。開発者は、まずVector storesを作成し、そこにファイルをアップロードします。そして、File Searchツールを使用する際に、検索対象のVector storesを指定することで、エージェントがその中から情報を検索できるようになります。

この動画では、File searchは、昨年Assistants APIに搭載された機能であり、開発者が自身のドキュメントをアップロード、チャンク化、埋め込み、簡単にRAGを実行できるようにするものであると説明されています。さらに、メタデータフィルタリングとダイレクトサーチエンドポイントという2つの新機能が紹介されています。メタデータフィルタリングでは、ファイルに属性を追加して簡単に絞り込むことができ、ダイレクトサーチエンドポイントでは、クエリがモデルによってフィルタリングされる前に、ベクターストアを直接検索できると解説しています。

Computer Use(コンピュータ操作)

Computer Useツールは、コンピュータの画面を認識し、マウスやキーボードの操作をシミュレートすることで、さまざまなタスクを自動化します。例えば、ウェブサイトの操作、アプリケーションの実行、データの入力など、人間が行うほとんどの操作を代行できます。これは、以前Operatorと呼ばれていた機能です。

Computer Useツールは、CUA (Computer-Using Agent) モデルによって動作します。このモデルは、OSWorldで38.1%、WebArenaで58.1%、WebVoyagerで87.0%という高い成功率を達成しており、その性能の高さが証明されています。ただし、現時点ではまだベータ版であり、特にブラウザ以外の環境では、誤動作の可能性があることに注意が必要です。そのため、完全に認証された環境や、リスクの高いタスクでの使用は推奨されません。利用時には、人間の監視下で使用することが推奨されます。

この動画では、Computer Useは、APIにおけるオペレーターであり、仮想マシンやGUIのみでAPIアクセスがないレガシーアプリケーションなどを操作、自動化できるツールであると説明されています。Computer Useモデルが付属しており、ChatGPTのオペレーターが使用しているのと同じモデルで、OSWorld、WebArena、WebVoyagerでSOTAベンチマークを達成していると解説しています。

Computer Useツールの具体的な活用例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ウェブサイトの自動テスト:複数のブラウザやデバイスでウェブサイトの動作を自動的にテストし、問題点を早期に発見する。開発者は、テストシナリオを自然言語で記述するだけで、エージェントが自動的にテストを実行してくれます。
  • レガシーシステムへのデータ入力:APIが提供されていない古いシステムに対して、画面操作を自動化することで、データ入力作業を効率化する。手作業で行っていたデータ入力作業をエージェントに任せることで、人的ミスを減らし、作業時間を大幅に短縮できます。
  • 複数アプリケーションをまたぐワークフローの自動化:例えば、メールを受信したら、その内容を解析し、スプレッドシートに記録し、関係者に通知する、といった一連の作業を自動化する。これにより、複数のアプリケーションを連携させた複雑な業務プロセスを、エージェントが自動的に実行してくれます。
  • Eコマースサイトでの商品注文: ユーザーの代わりに商品を検索し、カートに追加し、注文を完了する。
  • フライト予約: ユーザーの希望する条件に基づいてフライトを検索し、予約を確定する。
  • レストラン予約: ユーザーの希望する条件に基づいてレストランを検索し、予約を行う。

Computer Useツールは、開発者が定義した指示に基づいて動作しますが、セキュリティ上のリスクを軽減するために、サンドボックス化された環境(Dockerコンテナなど)で使用することが推奨されます。Dockerコンテナを使用するメリットは、以下の通りです。

  • 環境の再現性: Dockerコンテナを使用することで、エージェントが動作する環境を常に同じ状態に保つことができます。これにより、環境の違いによるエラーを防ぎ、開発・テスト・本番環境での一貫性を確保できます。
  • セキュリティの向上: Dockerコンテナは、ホストOSから隔離された環境で動作するため、エージェントが誤ってシステムに損害を与えるリスクを軽減できます。また、コンテナごとにリソース制限を設定することで、悪意のあるコードによる攻撃からシステムを保護できます。

また、モデルの誤動作や意図しない動作を防ぐために、後述のガードレール機能を併用することが重要です。

OpenAIではなくAnthropicという異なる会社ではありますが、Computer useについてこちらの記事にもまとめています。ぜひご覧ください!

関連記事:Anthropic発表のComputer useを試してみた【生成AI x RPA!】

知識と記憶でエージェントを強化

エージェントがより高度なタスクをこなすためには、初期トレーニングデータに加えて、外部の知識や長期的な記憶が必要です。OpenAI Agents SDKでは、以下のツールを使って、エージェントに知識と記憶を持たせることができます。

  • Vector stores(ベクトルストア): 大量のドキュメントを効率的に管理し、関連性の高い情報を迅速に検索するための仕組みです。File searchツールと連携して利用します。具体的には、ドキュメントをベクトル化して保存し、ユーザーからの質問や指示があった際に、その内容に最も関連性の高いドキュメントを検索します。これにより、エージェントは、自身の持つ知識だけでなく、外部の知識も活用して、より適切な回答を生成できます。
  • Embeddings(埋め込み): テキストや画像などのデータを、高次元のベクトル空間に変換する技術です。これにより、データの意味的な類似性を計算し、関連性の高い情報を効率的に検索できます。例えば、「猫」と「子猫」という単語は、意味が近いため、ベクトル空間上でも近い位置に配置されます。Embeddingsは、Vector storesと組み合わせて使用することで、より高度な検索機能を実現できます。

エージェントを守る「盾」:ガードレール

エージェントが意図しない動作をしたり、不適切な情報を出力したりするのを防ぐために、ガードレールを設定できます。OpenAIは、有害なコンテンツを自動的にフィルタリングする無料のModeration APIを提供しています。さらに、指示階層を活用することで、開発者が定義したプロンプトを優先し、望ましくないエージェントの動作を抑制することができます。

ガードレールの設定は、エージェントの定義時に input_guardrails および output_guardrails パラメータを使用して行います。これらのパラメータには、ガードレールとして機能する関数(@input_guardrail または @output_guardrail でデコレートされた関数)のリストを指定します。

入力ガードレールは、エージェントが最初に受け取るユーザーからの入力に対してチェックを行います。出力ガードレールは、エージェントの最終的な出力に対してチェックを行います。

これらのガードレール機能を活用することで、エージェントの安全性と信頼性を高め、より安心して利用できるアプリケーションを開発することができます。 OpenAIでは、悪意のある指示の検出、無関係なドメインの検出、機密性の高いドメインの検出などの安全チェック機能を実装しています。 これにより、プロンプトインジェクションやモデルの誤動作のリスクを軽減することができます。

複数のエージェントを連携させる:オーケストレーション

OpenAI Agents SDKは、単一のエージェントだけでなく、複数のエージェントを連携させて、より複雑なタスクを実行することができます。例えば、顧客からの問い合わせ内容に応じて、適切なエージェントに処理を引き継ぐ、といったことが可能です。この連携は、**Handoffs(ハンドオフ)**と呼ばれる機能によって実現されます。

Handoffsは、あるエージェントが別のエージェントに処理を委譲する仕組みです。エージェントは、自身の能力や専門知識に基づいて、他のエージェントにタスクを任せることができます。例えば、一般的な質問に答えるエージェントが、専門的な知識が必要な質問を受け取った場合、その分野の専門エージェントに処理をハンドオフすることができます。

Handoffsは、エージェントの定義時に handoffs パラメータを使用して設定します。このパラメータには、連携させたいエージェントのリストを渡します。 さらに、handoff()関数を使うことで、ハンドオフ時の動作を細かくカスタマイズできます。

Handoffsは、Swarmと呼ばれていた以前の実験的・教育的なSDKの機能を拡張したもので、エージェントのオーケストレーション(複数のエージェントの連携)を容易にします。Swarmは多くのユーザーによって本番環境で使用され、そのフィードバックを基に、Agents SDKとして再構築され、本番環境に対応し、新機能が追加されました。Swarmでは、エージェント間の連携や状態管理が複雑になりがちでしたが、Agents SDKでは、Handoffs機能によって、これらの処理がシンプルかつ直感的に行えるようになりました。Agents SDKは、このSwarmでの経験を活かし、より洗練された形でエージェントのオーケストレーションを実現しています。Swarmは実験的かつ教育的なものでしたが、Agents SDKは本番環境での利用を想定して設計されています。

Swarmについては公開当初に簡単に動作を試しており、こちらの記事にまとめています!

関連記事:OpenAIの「Swarm」を試してみた:軽量マルチエージェント・オーケストレーション・フレームワーク

OpenAI Agents SDK を使ってみよう!

それでは、実際にOpenAI Agents SDKを使って、簡単なエージェントを作成してみましょう。Agents SDKは現在Pythonで利用可能です。Node.jsのサポートも近日中に予定されています。

開発環境の準備

まず、Pythonの開発環境を準備します。以下のコマンドを実行して、仮想環境を作成し、有効化します。

python3 -m venv .venv
source .venv/bin/activate

次に、OpenAI Agents SDKをインストールします。

pip install openai-agents

これで、エージェント開発を始める準備が整いました。

基本的なエージェントの作成

最もシンプルなエージェントは、名前、指示、そして使用するモデルを指定するだけで作成できます。以下の例では、「Assistant」という名前のエージェントを作成し、「あなたは役に立つアシスタントです」という指示を与えています。

from agents import Agent, Runner

agent = Agent(name="Assistant", instructions="あなたは役に立つアシスタントです")

result = Runner.run_sync(agent, "プログラミングにおける再帰に関する俳句を書いてください")
print(result.final_output)

# 出力例:
# コードの中にコード
# 関数が自身を呼び出して
# 無限ループの踊り

このコードでは、非常に簡単なコードでAIエージェントを作成し、実行しています。 Agentクラスのインスタンスを作成する際に、nameinstructionsパラメータを指定するだけで、エージェントの基本的な振る舞いを定義できます。 Runner.run_sync()メソッドは、エージェントにリクエストを送信し、同期的に結果を返します。 結果はresultオブジェクトに格納され、result.final_outputで最終的な出力を取得できます。

ツールを使ってみよう

次に、エージェントにツールを使わせてみましょう。ここでは、@function_toolデコレータを使って、都市の天気を取得する関数を定義し、エージェントにツールとして追加しています。

from agents import Agent, Runner, function_tool

@function_tool
def get_weather(city: str) -> str:
    return f"{city}の天気は晴れです"

agent = Agent(
    name="俳句エージェント",
    instructions="常に俳句形式で応答してください",
    model="gpt-4o",  # または "gpt-4o-mini"
    tools=[get_weather],
)

@function_toolデコレータは、関数をエージェントが利用できるツールとして登録します。エージェントは、必要に応じてこの関数を呼び出し、その結果を利用してタスクを実行します。ツールを使うことで、エージェントは外部の情報にアクセスしたり、特定の機能を実行したりできるようになります。

Agents SDKでは、@function_tool デコレータを使うことで、Pythonの関数を簡単にツールとして定義できます。 ツールは、エージェントが利用できる外部機能であり、エージェントの能力を拡張する上で非常に重要です。 ツールを使うことで、エージェントは、単にテキストを生成するだけでなく、外部のAPIを呼び出したり、データベースにアクセスしたり、ファイルシステムを操作したりするなど、さまざまな処理を実行できます。

エージェントの動作を追跡する (Tracing)

OpenAI Agents SDKには、エージェントの動作を詳細に追跡できる「トレース」機能が組み込まれています。これにより、開発者はエージェントの動作を監視し、問題点を特定し、パフォーマンスを改善することができます。

トレース機能は、以下の情報を記録します。

  • トレース全体: エージェントの実行全体の情報
  • スパン: エージェントの実行中の特定の操作(エージェントの実行、LLMの生成、ツールの呼び出し、ハンドオフなど)の情報

これらの情報は、OpenAIのプラットフォーム上のTracingダッシュボードで確認できます。

この図は、Agent Traces UIのダッシュボードを表示しており、Triage AgentからCustomer Support AgentにHandoff(処理の受け渡し)が行われ、Customer Support Agentがget_past_ordersとsubmit_refund_requestという関数を呼び出していることがわかります。このように、Tracing機能は、エージェントの動作を詳細に可視化し、デバッグや改善を容易にします。
出典:https://platform.openai.com/docs/guides/agents

上の図は、Agent Traces UIのダッシュボードを表示しており、Triage AgentからCustomer Support AgentにHandoff(処理の受け渡し)が行われ、Customer Support Agentがget_past_ordersとsubmit_refund_requestという関数を呼び出していることがわかります。このように、Tracing機能は、エージェントの動作を詳細に可視化し、デバッグや改善を容易にします。

ガードレールの実装(入力ガードレールの例)

エージェントの安全性と信頼性を高めるための重要な機能として、ガードレールがあります。以下に、入力ガードレールの実装例を示します。

from agents import (
    Agent,
    GuardrailFunctionOutput,
    InputGuardrailTripwireTriggered,
    Runner,
    input_guardrail,
)

class MathHomeworkOutput(BaseModel):
    is_math_homework: bool
    reasoning: str

# ガードレールチェック用のエージェント
guardrail_agent = Agent(
    name="ガードレールチェック",
    instructions="ユーザーが数学の宿題を頼んでいるか確認してください。",
    output_type=MathHomeworkOutput,
)

@input_guardrail
async def math_guardrail(ctx, agent: Agent, input: str) -> GuardrailFunctionOutput:
    result = await Runner.run(guardrail_agent, input, context=ctx.context)
    return GuardrailFunctionOutput(
        output_info=result.final_output,
        tripwire_triggered=result.final_output.is_math_homework,
    )

# メインのエージェント
agent = Agent(
    name="カスタマーサポートエージェント",
    instructions="顧客の質問に答えます。",
    input_guardrails=[math_guardrail],
)

async def main():
    try:
        await Runner.run(agent, "2x + 3 = 11のxを求めるのを手伝ってもらえますか?")
        print("ガードレールは作動しませんでした - これは予想外です")
    except InputGuardrailTripwireTriggered:
        print("数学の宿題ガードレールが作動しました")

この例では、math_guardrailという入力ガードレールを定義しています。このガードレールは、別のエージェントを呼び出し、ユーザーからの入力が数学の宿題に関するものかどうかをチェックします。もし宿題だと判定された場合、メインのエージェントの処理が中断され、ユーザーに適切な応答を返すことができます。

まとめ:OpenAI Agents SDK でエージェント開発の未来を拓く

OpenAIが提供する新しい「Responses API」と「Agents SDK」は、AIエージェント開発をより身近なものにし、開発の効率とスピードを劇的に向上させる強力なツールです。これらのツールを活用することで、開発者は複雑なエージェントシステムをより少ないコードで、より効率的に構築できます。高度なAIモデルの能力を最大限に引き出し、Web検索、ファイル検索、そしてコンピュータ操作まで、様々なタスクを自動化するエージェントを、より簡単に開発できるようになりました。

この記事では、基本的な使い方から、複数のエージェントの連携(Handoffs)、エージェントの実行を追跡するTracing機能、そして安全性と信頼性を高めるGuardrailsまで、OpenAI Agents SDKの主要な機能を網羅的に解説しました。これらの機能を活用することで、開発者は、ユーザーのニーズに柔軟に対応し、より安全で信頼性の高いエージェントアプリケーションを開発できます。

OpenAI Agents SDKは、単にエージェント開発を容易にするだけでなく、AIの可能性を大きく広げるツールです。これまで実現が難しかった複雑なタスクの自動化や、より人間らしい自然な対話が可能なAIアシスタントの構築など、さまざまな応用が考えられます。 エージェント開発のエコシステム全体が活性化し、様々な分野で革新的なアプリケーションが登場し、私たちのビジネスや日常生活に大きな変化をもたらすことが期待されます。

OpenAIは、今後もAgents SDKとResponses APIの機能を拡充し、より多くの開発者がAIエージェントの力を活用できるよう、サポートを続けていく予定です。 例えば、より多くの組み込みツールの追加や、異なるプログラミング言語への対応、開発者コミュニティとの連携強化などが期待されます。

さあ、あなたもOpenAI Agents SDKを使って、未来のAIエージェント開発を体験してみましょう!まずは、公式ドキュメントを参考に、簡単なエージェントを作成することから始めてみてください。そして、あなたの素晴らしいアイデアを形にし、世界に公開してください。

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