こんにちは、スクーティー代表のかけやと申します。
弊社は生成AIを強みとする、ベトナムオフショア開発・ラボ型開発や、生成AIコンサルティングなどのサービスを提供するソフトウェア開発会社です。最近はありがたいことに生成AIと連携したシステム開発のご依頼を数多く頂いています。
OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏が最近(2023年12月末頃)、Twitterスレッドでユーザーが求めていることや彼が考慮に入れていることについて話しており、本記事ではその概要をご紹介します。2024年にChatGPTに起きるであろう予測を話しており、非常に興味深いです。
サム・アルトマン氏のコメントが紹介されていた動画はこちらです。
推論能力の強化
推論能力の強化はOpenAIにとって最優先事項です。
ChatGPTは文章を書くことに優れており、数学の能力も大幅に向上しています。しかし、世間が「幻覚(hallucination)」と誤解しているものは、実はChatGPTが自分が何を知らないのか、いつ間違っているのかを知らないことに起因しています。
サム・アルトマン氏によると、既存のGPT-4の基本的な推論能力でも改善は可能であり、推論能力の欠如を補うTree of ThoughtやChain of Thoughtなどの技術を使うことで、AIの応答の精度を高めることは可能であると認識しています。しかし、推論能力はモデルが時間とともに改善されるため、将来的に起こる可能性が高いと述べています。
GPT-5の登場
2024年にはGPT-5のリリースが予想されています。GoogleのGeminiプロジェクトが競争を加速させる中、GPT-5はGPT-4を超える洗練された新しい能力や機能を備えることが期待されています。GPT-5に関する話題では、既にトレーニング中であることやその洗練度についても言及されており、GPT-4よりも進化したモデルになると予想されます。
音声モードの改善
ChatGPTの音声モードが改善され、より自然で効果的な会話体験が可能になると予想されています。言語の自動検出機能があるため英語で話す必要がなく、Whispers APIを使用しているため、テキスト認識は非常に正確です。ユーザーはハンズフリーでより快適にChatGPTを利用できるようになると考えられます。
記憶機能を備えたChatGPT(Project Sunshine)
Project Sunshine(あるいはChatGPT with memory)により、ChatGPTは以前のチャットから学習する能力を持つことになります。これにより、ユーザーの好みや詳細を記憶し、過去の会話を踏まえた上でより関連性の高い応答を提供することが可能になります。つまりこれは、よりパーソナライズされた対話体験を実現するための重要なステップとなります。
GPTストアの強化
OpenAIは新しいGPTストアを導入し、ユーザーにアップグレードされた機能を提供する予定です。現在はプロンプトインジェクションの問題があり、リリースが遅れているようですが、この問題が解決されると、これらの機能がリリースされそうです。
これは上記のProject Sunshine(あるいはChatGPT with memory)と関連しているようで、ユーザーにカスタマイズされたGPTが手に入り、それを使用することで自分用にパーソナライズされ、より使いやすい洗練されたGPTを目指すということのようです。
また、ユーザーはGPTのメモリをリセットすることができるようになります。学習した自分の好みをリセットすることができる機能です。この「時間とともに改善される」機能は便利である一方でプライバシーの問題も含むため、On/Offをユーザーに選ばせることでプライバシーに配慮したサービス設計となるようです。
予想外の新機能や改善
最後に、OpenAIが取り組んでいることには、「私たちが予想もしないような機能や改善が含まれている可能性が高い」とサム・アルトマン氏は述べています。「我々は多くを実現し、ここに挙げられていない他の多くのことにも興奮している」とも述べています。私たちは、OpenAIが提供する機能やサービスの将来について完全に予測することはできませんが、進化し続けるテクノロジーに期待を持つことができます。
2023年はまさに「生成AIの年」で、ChatGPTを始めとした生成AI関連技術やサービスが大きく普及、発達しました。今回のサム・アルトマン氏のコメントを見る限り、2024年もChatGPTはたくさんの話題とより便利な機能を提供してくれそうです!