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第二回目はベトナムのスタートアップ、その中でもモバイルに特化したサービスで2017に盛り上がりそうな5つの分野をご紹介致します。
ちょうど最近おもしろい統計データを見つけました。スライドの165ページからがベトナムの情報になります。このデータからベトナムの高い「モバイル化」が見て取れます。携帯電話の普及率は98%(成人のみ)、そのうちスマホは72%。全人口の50%がモバイルでインターネットに接続し、55%の人はインターネットを使用するのにPCよりもモバイルを使用しています(ただし、トラフィック量はPCの方が多いようです)。
ベトナムではモバイルサービスがここ最近、驚くほど急速に成長してきています。食品の購入から観光ツアーの予約までいろいろなことがモバイルアプリで実現できるようになり、現代生活のあらゆる部分の「奥」にまでモバイルというものが浸透していることを実感することが出来ます。
スタートアップの事業計画作成において、最も重要な要素の一つは市場へのフィットです。また、特定の事業に注力する前に、関連サービスや競争についてよく吟味しておく必要があります。2017年にモバイルアプリで盛り上がりそうな5つの分野は下記の分野だと言われています。具体的にどのようなサービスがでてきているのか見てみたいと思います。
金融系サービス
金融サービスは、モバイルアプリというものの誕生、及びそのアプリが消費者のニーズにマッチしたおかげで、大きく変化してきました。2016年、金融系のアプリ数が急増してきており、競争が激化しています。しかし、モバイルプラットフォームにおけるいわゆるFinTechスタートアップ大きく成長しているおかげで、消費者にとっては利便性が増してきています。
ベトナムの新興企業であるMoMoは今年、ゴールドマン・サックスとスタンダード・チャータード・プライベート・エクイティを中心としたシリーズBの資金調達ラウンドで2800万ドルを調達し、世界的に高い評価を受けました。
M_Serviceの製品であるMoMoは、ユーザーが資金を送受信できるモバイルウォレットサービスです。 アップルストアのベトナムで一番ダウンロードされた人気アプリである人気のあるモバイルアプリであり、ユーザーは幅広いサービスで支払いをすることができ、国内の4000人以上の店頭代理店で電子クレジットを現金化することができます。 支払いシステムは、ベトナムの20以上の国内の銀行と統合されています。
教育系サービス
「教育」と「テクノロジー」が「握手」して以来、教育関連のスタートアップの波が来ています。テクノロジーと組み合わせる教育は学習効率を大幅に改善し、同じ教室でより多くの異なる学生が学習できるようになりました。
いろいろな教育方法を調査・分析することで学習がより高い効果を出すようにするものから、クラス内外のコラボレーションを強化するものなど、教育におけるテクノロジーは本当に多くのスタートアップアイデアを生み出します。また、家庭教師や学習管理アプリはいくつかの会社が開発しているスタートアップの事例です。
代表的な例としてMonkey Juniorが挙げられます。これはDao Xuan Hoang氏が開発した、0~10歳の子供向け言語教育のアプリであり、サービス開始から約10ヶ月で世界中に150万人ものユーザを持つまでに成長しました。そのうち、30%がアメリカ人、10~20%がベトナム人、残りが他の国のユーザです。このアプリも、アメリカと他の英語圏の国でApp StoreやGoogle Playで最も人気のある学習アプリの一つです。
医療系サービス
医療はモバイルの誕生とともにアクセシビリティが向上し、特に目立った成長を遂げている分野です。ヘルスケアにおけるモバイルデバイスによるソリューションは患者の介護サービスを改善することに非常に役立っています。
例えば、ユーザーの健康状態の記録を管理するアプリがあります。このアプリを通して、遠隔地にいながらも一流の医者にオンラインでコミュニケーションを取れるため、健康管理がより手軽になっています。
今や、ヘルスケアサービスが大きく改善されていますが、それは医療施設自体が良くなったとか、介護スタッフのスキルがあがってきているとか言うことではなく、医療系モバイルアプリの利便性が向上した結果によるものです。医療系スタートアップは最も社会に利益をもたらす分野だと考えられています。
一つ具体的な事例を紹介します。ヘルスケアサポート、オンライン健康診断予約、全国の医療施設と医者の情報を提供するViCareというアプリがあります。8ヶ月間の開発期間とサービスローンチしてからの6ヶ月間を経て、このサービスは日本のCyberAgent Ventures (調達金額50万ドル)及びシンガポールのPix Vine Capital(調達金額は非公開)の2つのベンチャーキャピタルが参加し、2回目の資金調達が完了しています。ベトナム人が医療施設とヘルスケアサービスを便利に、かつ正確に検索できるようになることを目標として、ViCareは稼動開始6ヶ月で全国19000箇所以上の医療施設、及び20000名以上の医師のデータベースを構築ました。この数字が今も日々増加しています。
現在、ViCareへの月間の自然流入数は20万で、医療施設や医師に関するコメントは3000程度、医療施設に関する質問や医療の専門的な質問は6000回程度あります。
観光系サービス
オンラインでのレビューや、ホテル予約、観光ツアー予約までモバイルアプリでできるようになっています。観光系のアプリは今後も出てきそうです。観光系のアプリはユーザのこれまでの習慣を変え、新しい習慣が更に次のビジネスモデルを生み、よりユーザの求めるニーズに着実に応えられるようになっています。
観光客向け地元ツアーガイドマッチングアプリがあります。観光客は観光地の評価・コメントを見ることができ、観光スポットや遊び場等をレコメンドしてくれます。
この分野においては、Vntrip.vnを抜きに語ることは出来ません。ユーザはWebサイト又はモバイルアプリからホテルのルーム予約、支払い、予約確認等ができるオンラインホテル予約アプリです。このスタートアップはFenghe GroupとHancock Revocable Trustをはじめとしたベンチャーキャピタルから海外資金3百万ドルを調達しています。2014年末から開発を開始して、2016年前半6ヶ月間βバージョンとして公開し、Vntrip.vnはベトナム国内のオンラインホテル予約サービスの代表格です。ホテルオンライン予約サービス市場は2020年に売上高が7.5億ドルに達成する見込みです。
ショッピング
オンライン購入はモバイルデバイスを通じた購入にシフトしてきています。ショッピングはリアル店舗からオンラインストア、そしてモバイルストアというように急激に変遷してきています。
消費者がいろいろなショッピングチャネルに存在しているため、モバイルアプリは消費者に最も効果的なアプローチをとる必要があります。
KiotVietはCitigo Software Co. Ltdによって開発されたクラウドPOSシステムです。
ベトナム市場には2013年にローンチされ、小売業者の商品マスター管理、販売、在庫管理、顧客とサプライヤーのコネクション等をサポートするオンラインPOSシステムです。
クラウド上に開発されているため、KiotVietはどこからでも、いつでも、どのようなモバイル端末でもアクセス出来ます(編集者記:小売業者が使用する既存のPOSシステムにありがちな所定の端末を使用する必要が無い、という意味です)。売上管理システムの中では、KiotVietは現在ベトナムマーケットで最も大きな11.88%のシェアを握っています。
参考サイト
- http://startup.vnexpress.net/tin-tuc/startup/top-18-startup-viet-tieu-bieu-do-vnexpress-binh-chon-3513567.html
- http://www.thesaigontimes.vn/147167/Cac-xu-huong-khoi-nghiep.html
- http://cafef.vn/xu-huong-cong-nghe/khoi-nghiep-di-dong-dung-so-khong-nhan-duoc-dau-tu-2014042310272468314.chn
- http://ictnews.vn/khoi-nghiep/startup-ve-y-te-vicare-nhan-von-dau-tu-tu-cyberagent-va-pix-vine-capital-140911.ict
- http://fintechnews.sg/7593/vietnam/7-hottest-fintech-startups-solutions-vietnam/