こんにちは、スクーティー代表のかけやと申します。
弊社は生成AIを強みとするベトナムオフショア開発・ラボ型開発や、生成AIコンサルティングなどのサービスを提供しており、最近はありがたいことに生成AIと連携したシステム開発のご依頼を数多く頂いています。
DifyでMCPを活用することで、AIエージェントが外部ツールやサービスとシームレスに連携し、業務自動化やデータ分析、さらにはマーケティング自動化など多様なタスクを実現できます。本記事では、DifyにおけるMCPの基本概念や設定手順、各プラグインの詳細な機能と具体的な事例について、専門的視点から詳しく解説するとともに、実際に利用する際の注意点や拡張方法についても触れています。記事全体を通じて、初心者から上級者までが自らのシステム構築に役立つ知見を獲得できる構成となっており、画像や表、サンプルJSONコードを豊富に用いることで分かりやすさにも配慮しています。
DifyとMCPの連携:基礎知識とメリット


まず、MCPについて知りたいという方は、ぜひこちらの記事を先にご覧ください。
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次に、MCPについて知りたいという方は、ぜひこちらの記事を先にご覧ください。
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次に、MCPについて知りたいという方は、ぜひこちらの記事を先にご覧ください。
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MCPとは何か? Difyでの重要性を解説
MCP(Model Context Protocol)は、Anthropicによって2024年末に導入され、AIエージェントが外部のツールやAPIとシームレスに連携できるための標準プロトコルとして急速に普及しています。このプロトコルは、まるでUSB-Cポートがあらゆるデバイスと接続可能なように、AIと外部サービスとの間に明確な通信基準を提供するため、システム間の相互運用性が大幅に向上します。特に、2025年が「AIエージェントの年」と呼ばれる背景において、LLM(大規模言語モデル)が現実世界の複数のツールやデータソースと統合される重要性が一層高まっています。MCPを導入することで、各種サービスやアプリケーションとのカスタム統合が不要となり、7,000以上のアプリや30,000以上のアクションが単一のプロトコルで制御可能となるため、開発者にとっても大きな負荷軽減が実現されます。また、MCPでは初回の接続時にセキュリティチェックと認証を含むハンドシェイクの流れが構築され、安全な通信路を確保する設計となっています。
DifyとMCP連携の主要プラグイン紹介
Dify環境で利用可能な主要なMCPプラグインとして、まず注目すべきは「MCP SSE」です。このプラグインは、HTTPとSSE(Server-Sent Events)を用いて複数のMCPサーバーと通信を可能にし、エージェントが動的に外部ツールを検出して呼び出す機能を提供します。さらに、「MCP Agent Strategy」プラグインは、MCP機能をWorkflow Agentノードに直接統合することで、エージェントが自律的に外部ツールを選択し呼び出す仕組みを実現します。これにより、ユーザーの操作を待たず、内部ルールに基づいた最適なツール選択と業務自動化が可能となります。また、各プラグインを利用する際は、セキュリティの観点から、ネットワーク内部のみでの利用およびMCPプロトコルのハンドシェイク時の認証とエラーハンドリングを十分に行うことが推奨されます。
DifyアプリをMCPサーバーに変換する方法


mcp-serverプラグインを活用してDifyをMCPサーバー化
mcp-serverプラグインを利用することで、任意のDifyアプリをMCP準拠のサーバーエンドポイントへと変換し、外部のMCPクライアントから直接アクセス可能な環境を構築できます。これにより、Difyアプリは単なるアプリケーションの枠を超え、統一されたMCPツールとして公開され、Cursor、Claude Desktop、Cline、Windsurfなどの各種クライアントとシームレスに連携できます。プラグインの設定画面では、エンドポイント名、対象アプリ、アプリの種類、さらに入力スキーマ(JSON形式)を詳細に定義する必要があります。これにより、外部システムはアプリが期待する入力パラメータを正確に認識することができます。
DifyアプリをMCPサーバーとして設定する手順
- プラグインのインストール: Dify Marketplaceからmcp-serverプラグインをダウンロードしてインストールします。
- Difyアプリの選択: 例として「Deep Research」アプリを使用します。このアプリは、ユーザーの質問を受け取り、Tavilyプラグインを利用して複数回の検索を実行し、LLMを活用して詳細な調査レポートを生成します。
- MCPサーバーエンドポイントの設定: mcp-serverプラグインの設定画面にて、以下の項目を入力します。
– Endpoint Name: エンドポイントの名前
– App: MCPサーバーとして公開するDifyアプリ
– App Type: ChatアプリかWorkflowアプリか
– App Input Schema: アプリの入力パラメータをJSONで定義し、外部システムが対話方法を理解できるようにします。 - エンドポイントURLの取得: 設定を保存すると、システムは一意のエンドポイントURL(HTTPおよびSSE両方をサポート)を自動生成します。
- Dify MCPサーバーをCursorに追加: 生成されたエンドポイントURLをMCP互換クライアントに登録します。たとえば、Cursor IDEでは設定ファイルに以下のJSONを追加します。
{ "mcpServers": { "dify_deep_research": { "url": "https://*******.ai-plugin.io/sse" } } }
設定保存後は、エージェントが指定されたタイムアウト値やSSE読み込みタイムアウトを含むセキュリティチェックを通過して、動的にツールを呼び出す仕組みが有効になります。なお、プライベートネットワーク内での利用が強く推奨されるとともに、各段階でのエラーハンドリングについても確認する必要があります。
Zapier MCPとの連携:多彩なツールを活用する方法


Zapier MCPをDifyに統合する手順
- Zapier MCP設定ページにアクセスし、一意のMCPサーバーエンドポイントリンクをコピーします。
- 「MCPアクションを編集」をクリックして、新たなツールやアクションを追加します。
- 対象アプリケーション(例:Gmail)を選択し、「メールを送信」などの特定アクションの認証・設定を行います。
- 追加アクションの設定時は、ツールキットの拡張も繰り返し実施します。
- MCP SSEプラグインを利用して、Zapier MCPサーバーのURLを専用のJSON設定に貼り付け、タイムアウトやSSE読み込みタイムアウト等の詳細パラメータも設定します。
{
"server_name": {
"url": "https://actions.zapier.com/mcp/*******/sse",
"headers": {},
"timeout": 5,
"sse_read_timeout": 300
}
}
{
"server_name1": {
"url": "http://127.0.0.1:8000/sse",
"headers": {},
"timeout": 5,
"sse_read_timeout": 300
},
"server_name2": {
"url": "http://127.0.0.1:8001/sse"
}
}
MCP SSEプラグインによる動的なツール呼び出しと統合
MCP SSEプラグインは、Dify Marketplaceから簡単にインストール可能です。インストール後はZapier MCPサーバーのURLやヘッダー情報、タイムアウト値およびSSE読み込みタイムアウトを含む詳細なJSON設定を入力することで、動的なツール呼び出しの環境を構築します。これにより、エージェントはユーザーの入力に基づき、適切なアクション(例:Gmailによる自動メール作成・送信)を実行することが可能となります。
Dify MCP ClientとReActエージェントフレームワークの統合


Dify MCP Clientの概要と使用方法
Dify MCP Clientは、MCPサーバーと直接接続し、ReActエージェントフレームワークを通じて各種タスクの自動化および動的操作を実現するためのプラグインです。利用者は、専用のソースコードをデプロイ後、必要な設定を行い、CLI上で「python -m main」というコマンドを実行することで、サーバーとの接続状況を確認しながら、ツールの変換やリソース管理を進めることができます。標準入出力を用いた通信により、MCPサーバーからのコマンドやデータをリアルタイムで受け取り、エージェントはこれを解釈して適切なツールやプロンプトへ変換します。
Dify MCP Clientの主な機能とユースケース
Dify MCP Clientの機能は以下の通りです。
– MCPサーバーへの標準入出力通信による接続
– ツール、リソース、プロンプトの動的変換
– 複数のMCP操作に対応するための各種関数のサポート
これにより、リモート環境でのセンサー情報の収集や、ユーザー入力に基づく即時ツール呼び出しなど、業務自動化の多様なシナリオに対応できます。また、ReActエージェントとの連携により、各タスクの自律的な実行が可能となり、システム全体の効率と生産性向上に寄与します。
MCP Server PluginとMCP Agent Strategy Pluginの活用


MCP Server PluginでDifyアプリをMCPサーバーに変換する方法
MCP Server Pluginは、DifyアプリケーションをMCPサーバーとして外部に公開するツールです。これにより、Cherry Studioなどのクライアントが統一されたMCPプロトコルを介してDifyアプリに接続し、各種ツールとして利用することが可能になります。まず、シンプルなワークフローアプリをDify上で作成し、そのアプリに対してエンドポイントを設定後、MCP Server Pluginを用いてサーバーモードに変換します。チャットタイプのアプリの場合、入力スキーマに「query」フィールドを必須項目として定義し、ユーザーからの問い合わせを正確に受け取る仕組みを構築します。なお、セキュリティ面ではプライベートネットワーク内での利用が強く推奨され、MCPプロトコルのハンドシェイクやエラーハンドリングの各処理が確実に行われるよう配慮がなされています。
MCP Agent Strategy Pluginでツール呼び出しを統合
MCP Agent Strategy Pluginは、MCPを活用したツール呼び出しと一般的な関数呼び出しを一体化するDify Agent戦略プラグインです。公式の関数呼び出しエージェント戦略と互換性があり、単一もしくは複数のMCPサーバーの設定をJSON形式により柔軟に管理できます。単一サーバーの場合はサーバーURLを指定するだけで構成可能ですが、複数サーバー連携時には各サーバーごとにタイムアウト、SSE読み込みタイムアウト、ヘッダー等の詳細パラメータを設定する必要があります。さらに、ソースコードの変更またはmcp-proxyを利用することで、通信方式を標準入出力(stdio)からSSEに変更可能です。これにより、エージェントはより柔軟で迅速なツール呼び出しを実現し、高い業務生産性が確保されます。
まとめ


本記事では、DifyにおけるMCPの基礎知識、主要プラグインの利用方法、各種連携の具体的な手順について詳しく解説しました。以下に、記事の主要ポイントをまとめます。
- 【MCPの重要性】— AIエージェントと外部ツール連携のための標準プロトコルとして、認証やハンドシェイク処理により安全な通信を実現。
- 【主要プラグイン】— 「MCP SSE」および「MCP Agent Strategy」による動的ツール呼び出しと業務自動化の実現。
- 【DifyアプリのMCPサーバー化】— mcp-serverプラグインを利用したエンドポイントの設定手順とセキュリティ考慮点の確認。
- 【Zapier MCPとの連携】— 単一のMCPサーバーURLを利用して、7,000以上のアプリや30,000以上のアクションを統合し、自動化を強化。
- 【Dify MCP ClientとReActエージェント】— 標準入出力通信を用いて、リアルタイムのタスク自動化と柔軟な連携を実現。
- 【セキュリティ対策】— プライベートネットワーク内での利用推奨、ハンドシェイクや認証、エラーハンドリングの実施が重要。
これらのポイントを踏まえ、DifyとMCPの連携を通じた業務効率化・自動化の可能性は非常に高く、システム統合の新たな基盤として今後も注目されるでしょう。
本記事ではDifyにおけるMCPの基本概念や設定手順、各プラグインの詳細な機能と具体的な事例について、専門的視点から詳しく解説するとともに、実際に利用する際の注意点や拡張方法についても触れています。弊社では、より柔軟で多様な業界ニーズに対応した生成AIコンサルティングサービスを提供しています。生成AIを活用した業務効率化や新たな価値創出にお悩みの方はぜひご連絡ください。